岡田屋仏具店

ここは八王子の老舗仏具店。
その広い店内の一角を改装しました。

大切なものをただ大事に思うこと。祈ることは特別ではなく、誰にもある優しい気持ちではないかと、老舗の仏具屋さんは言います。

ここは八王子の老舗仏具店。その広い店内の一角を改装しました。kitori初の仏具店のお仕事は未知なる世界、打ち合わせをしながらいろんなことを知りました。

こちらの仏具店は同じくkitoriで施工した八王子の老舗呉服店「坂本呉服店」からのご紹介です。坂本呉服店のかわいい内装を気に入ってくれたとのこと。

仏具屋さんにかわいいデザイン。何となく未知の可能性を感じつつ、お店に伺って、びっくりしたのはとにかく広いこと。

仏壇や仏具の並んだ吹き抜けの店内はもちろん、その横に5階建てのビルがあります。上の階には小さな部屋のように各々設えられた、上質な仏壇が並んでいました。そして店内の至る所に、価値のある仏像、香木や美しい香炉などがあり、ちょっとした探検でした。

最初の打ち合わせはいつでも、悩み相談と希望を聞きながら進みます。 「ごちゃごちゃした部分をきれいに見せたい」「包装など作業する広いカウンターが欲しい」「古いショーケースをどうするか」「かわいいタイルを貼りたい」など。そして店内をじっと見つつ、何処を改装するか、何を新しく作るか決めていきます。

そこに生まれたアイデアはタイルを貼った長いカウンターと、カウンターの背後にこの仏具屋さんにある宝たちを美術品のように飾る棚です。

ウォルナットの天板カウンターは奥行き90cm、幅3.6m。内側に包装紙や伝票などを入れる収納部分を作り、外側にはお客さんが座って伝票を書く部分を付け、全面タイルを貼って、店内の雰囲気に合わせつつ、気に入ってくれていたデザインの要素を取り入れました。

事務所として使っていたデスク周りを壁で囲い、足を切った古いショーケースを組み込んで、すっきり見せ、明かり取りの窓も付けました。

ウォルナットの棚には背板に和紙を張り、店中から宝物を集めて飾りました。中央に飾った不動明王様は白檀一刀彫り。その価値に合わせて保護のために部分的にアクリル板をつけ、照明も仕込みました。

それにしても仏具屋さんには美しいものが溢れていました。

種類店舗のデザインと施工、カウンター制作
概要老舗仏具屋さん、昭和48年に建った5階建てのビル(当時はとても珍しかったそうです)広い店内。豊富な仏具。価値ある仏像など。奥様はかわいいものが好き。使いやすく、いつか他のところも施工することを考えたデザイン。仏具屋の新しい未来を一緒に考えました。
仕事内容ウォルナットカウンター、飾り棚制作・取り付け。タイル工事。既存壁解体、新規壁制作、塗装、既存ショーケースの足を切って壁に埋め込み。飾り窓制作・取り付け。和紙貼り。飾り棚の飾り物選別・配置。
施工期間1~2ヶ月
備考カウンターでの作業、動線を考え、内側には10段の引き出しをつけるなど工夫しました。天板はつるつるに磨いたウォルナット、長さの3.6m。周りに良い材質の仏壇などがあるので、やはり見劣りしないウォルナットが良いでしょうとなりました。後ろの棚は違う木の予定でしたが、偶然にも手に入ったウォールナットで作ることになりました。何かの力でしょうか。とても良い飾り棚ができました。何より飾るものを選ぶのが楽しかったです。